サイコメトラーEIJI

犯人はだいたいトラウマ持ちの変態


作者   安童夕馬 朝基やすし
巻数   合本7巻(続刊合本5巻)
あらすじ 高校生の明日真映児は人や物に触れることでその過去の出来事や記憶の断片を映像で読み取ることができる「サイコメトリー能力」の持ち主。ある事件で知り合った刑事の志摩亮子に協力を請われ、その能力で事件を解決していく。

 

ヤンキー漫画にも分類していいのかな、渋谷のチーム抗争、暴力がけっこう出てきます。主人公のエイジから、初登場時にノーヘルバイクでタバコ。
違法薬物なんかは事件のキーアイテムとして出てくるのもわかるけど、未成年の飲酒喫煙の描写もあります。連載していた時代の流れもあるかな。

エイジは特殊能力の持ち主ですが、それを知るのはごく親しい人だけ。
話が進むうちに少しずつ知る人も増えますが、最初のうちは妹と志摩さん、それから友人の裕介のみ。あまり歓迎できる能力でもない様子で、エイジ本人もそれをポジティブに活用はしていません。しかしその能力を知った刑事の志摩さんは利用しまくります。
エイジは事件の真相が気になり、そして志摩さんの、布面積の少ない服装に釣られてサイコメトラーとして活躍します。

引用「サイコメトラーEIJI」合本1巻
(安童夕馬 朝基やすし)より
エイジと志摩さん

その志摩さんは若くて美人でスタイルも良く頭も切れる警部補という設定。志摩さんの谷間は毎回のように拝めますし露出が多いのですが、これは少年誌のお約束なのでしょう(少年誌なら妹の恵美ちゃんの露出を増やすほうがいいのでは・・・)。
そしてプロファイラーでもある。
実際の捜査にも導入されてはいるようですが、プロファイリングってまだまだ日本では歴史が浅いです。日本で広まったのは「ツイン・ピークス」かな。あとはドラマの「沙粧妙子 最後の事件」、この二つでプロファイルという単語が浸透したように思えます。

最初の話、CASE1がなかなかのインパクト。
若い女性が殺害され、制服を前後ろ逆に着せられて、現場には紙で作ったメビウスの輪が落ちている。エイジの妹の友人、そして同級生も被害に。
少年誌の第一話ってのはだいたいが人物・能力紹介になるのがセオリー、本作もそのとおりですが、それがとてもわかりやすい。CASE2まで引っ張らず、初回でエイジの性格や学校での立ち位置、友人の紹介、妹が義理なこと、志摩さんとの出会い、そしてサイコメトリー能力をきちんと説明しています。

引用「サイコメトラーEIJI」合本6巻
(安童夕馬 朝基やすし)より 

能力使用中のエイジ

犯人がだいたいトラウマ持ちの変態。
怨恨とか復讐とかよりもトラウマや偏向思想が高い犯罪が多い作品。エイジの能力と志摩さんのプロファイリングで解いていくわけだから、理由が分かりやすい犯罪よりもそのほうが作品にマッチしている。
しかしこれをワンパターンにならないように、サブキャラとその設定をめいいっぱい使っているので飽きずに読めます。

飽きない理由のもうひとつが作品全体の構成。
本筋はCASE、それ以外はBREAKという形でまとめています。CASEとCASEの間には必ずBREAKを入れて頭をリセットさせる。単行本だと一気に読むことになるのでこれは助かります。私は合本版で読み直したので一冊の分量が多いだけに、特にそう感じました。

BREAKのほうはネームドキャラに身の危険が及ばない犯罪行為がネタ。漫画的表現の変態が強く出ています。こちらの主役ともいえるみっちゃんはスピンオフが出るくらいの人気です。

引用「サイコメトラーEIJI」合本5巻
(安童夕馬 朝基やすし)より 
志摩さんを乗せてドライブする女装中
みっちゃん

しかしエイジの周りには事件が多い。
友人と仲良くなった女の子が殺されてしまうのが何人も出たりとか、海外から殺し屋が来ちゃったりとか、普通の高校生なのに。じっちゃんの名にかける人や見た目は子供で頭脳は大人な人に引けを取らない事件遭遇率。志摩さんが来なければ巻き込まれないものもあるけどね。

サブキャラも沢山いますが、ピックアップは国光かなー。
スピンオフ「クニミツの政」の主人公にもなったクニミツくん。クニミツが議事堂で友人に語りかけるシーンは、そのときばかりは本作でもクニミツが主人公です。カッコいいねクニミツ!

続編は「サイコメトラー」と表題を改めていますが設定は継続。エイジは留年して高3のまま、妹の恵美ちゃんと同学年になってます。志摩さんの露出も相変わらず、でも掲載が青年誌になったことで少々アダルト向けに。
画風の変化はありますが、EIJIの開始時と同様に、女性に対する派手な猟奇事件から始まるので、事件の内容に夢中になっているうちにあまり気にならなくなります。
あまり美しいとは言えない方々のビジュアルについては、描かれた時期を問わず凄いなほんと。

引用「サイコメトラー」合本4巻抜粋
(安童夕馬 朝基やすし)より
変化した画風 

続編が青年誌掲載になったことで、心の機微を拾うような、悲しみがベースになっているCASEが以前より目立ちます。暴力表現もより過激、というかそれこそ画風の変化によるのか、以前よりも強く激しく見えます。
そしてエイジの能力は強まり、触れた相手の精神世界、インナースペースに入り込むというところまで。

犯罪を暴くという作品なだけに、ネタバレを避けると犯人側の感想・解説が全く出来ませんが、もちろん犯人側も魅力的というか、強烈な人が沢山出てきます。
何度も出てくる犯人はやっぱりキャラ立ちがいいけれど、一回きりの犯人もなかなかの変態がいますよー。

スピンオフはみっちゃんの「でぶせん」とクニミツの「クニミツの政」。
「でぶせん」は、みっちゃんが女教師になって持ち前の運でなんとかしていくお話し。もちろん女教師といっても女装です。みっちゃんのくせに話の内容はマトモな学園物。
「クニミツの政」は誰でもOK、政治家秘書になったクニミツ君が大活躍します。
時間があるなら両方とも合わせて読むのをおススメ。