幕張サボテンキャンパス

楽しく充実した学生生活

 
作者   みずしな孝之
巻数   11巻
あらすじ 明日香・桜子・津田沼・誉田は千葉のとある大学の同期生。千葉県のみをうろうろしまくるキャンパスライフ。

 

私が最初に触れたみずしな漫画です。
掃除が苦手だった私を「下には下がいる」と救ってくれた明日香さんありがとう!

現物は手放して久しいのですが、手擦れでカバーの縁が切れそうになっていたことを覚えています。先日電子書籍で全巻揃えなおして読み返したところ。懐かしくて今でも面白い。
久しぶりに読めて感激ですが、桜子さんってこんなに怖かったのか。

観光で車でしか行ったことがなかった千葉県、仕事で千葉に出張となり海浜幕張駅に降りたときは「サボキャン…!」と呟きました。心の中で。同行者いたからね。
千葉は居住地からは微妙に行きにくい。ディズニー好きなら頻繁に行くのでしょうが、そこまででもなくて。そんな私に千葉を紹介してくれたのが本作です。シーワールドやマザー牧場、名は知っていても行ったことない場所を案内してくれました(後日行きました)。

最初のころはどこにでもいる普通の大学生といった描写ですが、回を重ねるごとに、4コマギャグ漫画らしいキャラの個性が出てきます。
ちょっとだらしない女の子だった明日香さんは自宅に腐海を生み出しガチャ〇ン似になり、少しだけ黒い面を見せていた桜子さんは怪力ダーティ桜子に。
真面目な津田沼くんは、それは真面目なままなんだけど、さだ研や料理の腕前や酒癖の悪さや重度の花粉症と、いろんなスキルの付与でいったら彼が一番多いと思うの。
誉田くんは最初からほぼ変わらず、貧乏バイト暮らし大学生。常にバイト優先で留年も。
主役はこの4人だけど、レギュラーサブキャラもそれぞれ強い性格付けがされています。
桜子さんの弟ミサチル、明日香さんにベタ惚れのキミタク、流行に敏感なはずの薬園台、院生のユカちんは最初のほうから登場。ミサチルを振り回す八幡さん、講師のマキちゃん、演劇部ミッチー里見あたりは少し遅れて出てきます。
卒業後もバイトや院生でダラダラと大学に居残り、最後まで千葉から一歩も出ずに、11巻を飽きずに楽しませてくれます。

引用「幕張サボテンキャンパス」6巻(みずしな孝之)より
とても明日香さんらしいコマ

やはりタイトルにもなった明日香さんのサボテン女っぷりが秀逸というか、すげぇ。
今はもう廃れていますが、当時「サボテン女」という言葉があったのです。サボテンは水をやらず世話をせずとも枯れずにいることから(そうでない種類もあるけどね)、手入れをしない、つまり掃除洗濯などもせず身だしなみも気にしないような女性を指しています。
桜子さんや津田沼くんが何度掃除をしてもすぐに元通り。明日香さん自身は特に困っておらず、床が見えないその部屋で生活している様子が描かれています。エアコンのリモコンが無くなるのはいつものことだし、洗濯はいつしたのか覚えていないし、冷蔵庫にはマヨネーズしか入っていません。こんなところに友人を呼ぶのもすごいし、訪ねる友人もすごい。

引用「幕張サボテンキャンパス」3巻(みずしな孝之)より
みんなで明日香さん家の掃除

携帯がまだ普及していなかったり、当時絶頂人気のアイドルグループがモデルのピーナッツ娘。がいたりと、当時の世相風俗も懐かしく見ることができます。
1巻ではスラムダンクが連載中のようだし、マックスコーヒーは千葉に行かないと買えなかったし、ザウスもあった。今ではコーヒーも手軽に買えるし、ザウスのあった場所周辺は大型ショッピングモールになりました。

引用「幕張サボテンキャンパス」9巻(みずしな孝之)より
千葉ネタ

時代を感じる部分はあるけれど、11巻の中で見ればそれほど多くは無いので、今でも普通に読める作品です。
もうそれなりに古い漫画になりますが、学生特有のあの空気は何年たってもあまり変わらないんでしょう。楽しく充実した学生生活の過ごし方、全ての大学生がこんなふうに過ごせるといいな。
流行りモノや時代特有の描写が全ての回にあるわけでもないし、デフォルメ風の絵柄のおかげで服装にも違和感がありません。いつ手にとっても気軽に読める、4コマはこうでなくては。
オマケのように入っている作者の実録的な漫画も楽しい。行き当たりばったりな海外旅行記はさすが若さゆえでしょうか。

40代あたりなら時代感も楽しめるはず。サボキャンや「いい電子」からのオールドファンは久しぶりに読み返して見てはいかがでしょうか。
未読の方は、大学生活を振り返ったり想像したり、当時の千葉を懐かしんだりしてみて。